日本オープン

日本オープン第1日(16日、福岡・古賀GC、6797ヤード、パー71)石川遼(17)=パナソニック=は5バーディー、1ダブルボギー、2ボギーの70で回り、首位に2打差の4位と好発進。有言実行の1W真っ向勝負で300ヤード超えのビッグドライブを連発し、博多っ子の度肝を抜いた。一時は単独首位に立つなど、初めて同組で回った青木功(66)も脱帽。メジャー大会初の予選通過はもちろん、大会史上最年少Vも射程にとらえた。

「すごか〜」

 「なんであげん飛ぶとかいな」

 ギャラリーから何度も歓声が上がり、タメ息が漏れた。一時は5アンダーで、単独首位に立つロケット発進。宣言通りに1Wで、難コースに挑んだ遼クンが博多っ子を魅了した。

 「4人しかいないアンダーパーに自分の名前があるなんて信じられない。これが今のぼくにはいいスコアが出る攻め方。先輩プロとは違うけど、自分のためになると信じてやっています」

 初日の1ケタ順位は2位だった開幕戦の「東建ホームメイトカップ」以来、今季2度目。快進撃の原動力は紛れもなく自分が信じた1Wだった。片山らビッグネームが1Wを封印する中、パー3以外では突き抜ける危険のある11番(パー4)を除き、迷わず1Wを選択。バーディーを稼ぎまくった。

 4番パー4(399ヤード)の第2打は、残り60ヤードをSWで3メートルにつけ、5番パー5(533ヤード)は2オンに成功した。8番パー4(435ヤード)もフォローの風に乗せ、ボールは残り110ヤード地点に着弾。300ヤード超えのビッグドライブを連発してのバーディー奪取で、8番まではすべてパーオンにも成功した。

 ところが、最難関の14番で第2打がバンカーにつかまりダブルボギーを叩いた。続く15番、そして最終18番もボギー。「最後は気持ちも体もコースにやられてしまった。最後までスイングを安定させないと」。

 終盤は失速。それでも前半の貯金を生かし、風の強くなる午後組では唯一のアンダーパーをマーク。この日に限れば1Wにこだわり続けるスタイルに間違いはなかった。

 国内メジャー初の予選通過を大きく引き寄せ、1928年大会を制した浅見緑蔵の19歳10カ月の大会最年少Vも視界に入ってきた。「思い切り振らないと悔しさが残りますから」。目指すゴルフは単純明快だ。豪快に飛ばし、日本一の座をつかみ取る。(臼杵孝志)

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相変わらずはにかんでますね