盗難自転車

福岡市早良(さわら)区のアパート前で女性が刺殺された事件で、殺害された田中久子さん(78)のバッグが現場に残されており、物色の形跡がないことが、福岡県警の調べで15日わかった。県警は、強盗目的ではなく無差別殺傷目的の犯行などの可能性があるとみて捜査している。田中さんが倒れていた付近に盗難自転車が乗り捨てられていたことも判明した。

 県警の調べによると、バッグは田中さんが倒れていた現場の近くに落ちていた。バッグは中身を物色された形跡がなく、金品も残っていたという。このため、県警は刃物で人を刺すこと自体を目的とした犯行との見方を強めている。田中さん周辺のトラブルの有無についても調べているが、知人らは田中さんには目立ったトラブルはなかったと話している。

 さらに県警は、田中さんの倒れていたすぐ近くに乗り捨てられていた自転車を押収した。一般的な買い物用自転車で、盗難届が県警に出されていることが判明。容疑者はこの自転車を使って現場に来た可能性もあるとみている。

 男は刃物を持ったまま走って逃走したとされる。返り血を浴びていた可能性も高く、県警は通報者から話を聞くとともに、近隣の防犯ビデオの解析を進めている。

 県警によると、田中さんは14日午後7時ごろ、福岡市早良区西新(にしじん)2丁目の自宅アパート前の通路で、20代くらいの若い男に刃物のようなもので前から十数回刺されて死亡した。同じアパートに住む男性が悲鳴を聞いて事件に気付き、男を捕まえようとしたが、男は南の方向に走って逃げたという。

 ■男の似顔絵公開

 福岡県警は15日、福岡市早良区の女性刺殺事件の現場から逃げた男の似顔絵を公開した。現場を目撃して110番通報した男性の証言をもとに作成した。20〜25歳で、身長170〜180センチのやせ形という。県警は3月下旬に同市城南区の社員寮前で起きた女性刺傷事件と同一犯であるとは断定していないが、「髪の長さを除けば、3月の事件で公開した似顔絵の男と特徴が似ている」としている。早良署の捜査本部(092・847・0110、内線615〜617)では情報提供を呼びかけている。

asahi.com

何が目的だったんだろう。