転職の台帳

厚生年金の記録改竄(かいざん)を隠蔽(いんぺい)するため社会保険事務所職員が健康保険の診療報酬明細書(レセプト)を抜き取っていたとされる問題で、総務省年金記録確認第三者委員会は11日、埼玉県内の社保事務所が厚生年金と政府管掌健康保険から本人には黙って偽装脱退させた女性の台帳に「レセプトOKで処理」との記載があったことを民主党の関係会議に報告した。隠蔽工作に関しては社保庁職員らの証言があるが、これが物証で裏付けられた形だ。

 物証が見つかったのは、今年6月に第三者委が改竄被害を認めた女性(66)のケース。女性は実際には昭和59年2月末まで勤めていたが、春日部社保事務所の記録では、58年10月末に会社ごと厚生年金と政管健保から脱退したことになっていた。脱退処理は59年3月まで5カ月にわたってさかのぼり、台帳には「レセプト10〜2月分までOKで処理」と記載。同僚10人も同様の処理がされていた。

 偽装脱退期間中は無保険となるため、受診すれば医療費は全額本人に請求され改竄が発覚してしまう。第三者委は「レセプトOK」との記載は、今回の女性のように、不正行為が発覚しないよう社保事務所が請求書を送らない対象者の識別に使っていたと判断した。

産経ニュース

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